人は同時に複数の状態にいる

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ある人が「やる気がない」と言う。
だが正確には、何に対してやる気がないのか。すべてに対してか、特定のことに対してか。今日だけか、ずっとか。
人の状態は、単一ではない。

複数の状態が同時に存在する
人は同時に、複数の状態にある。
仕事には意欲を持てているが、人間関係には疲れている。将来については不安だが、今日という日には安定している。自分の選択に自信はないが、行動だけは続いている。
これらは矛盾しているように見えるが、矛盾ではない。それが人の通常の状態だ。

単純化の落とし穴
「やる気がある人」「疲れている人」「迷っている人」というように、人を単一の状態で表現しようとすると、実態から離れていく。
自分自身を「今の私はこういう状態だ」と単純化することも同様だ。
単純化は理解を助けるが、同時に見えなくなるものを生む。

複数状態の具体例
たとえば、転職を考えている人がいる。
「今の仕事を続けることへの疲労」と「新しい環境への不安」と「変化への期待」と「今のチームへの愛着」が、同時に存在している。
これらはどれかが正しくて、どれかが間違いではない。すべてが本当の状態だ。
このとき「どうしたいのか一つに絞ろう」とすることは、状態の複雑さを否定することになる。

複数状態を持つことへの眼差し
矛盾する気持ちを同時に持っていることを、不安定や優柔不断と捉えることがある。
だが別の見方をすれば、それは複数の視点を同時に保持できているということでもある。
単純な答えに収まらない問いを持ち続けていること。それは、思考の豊かさの一側面かもしれない。

状態を「整理」しようとしなくてもいい
複数の状態にあるとき、それを一つに整理しようとすることが必ずしも良いとは限らない。
整理することで失われる微妙な感覚もある。
今、自分はいくつかの状態に同時にいる。それをそのまま認識しておくことが、理解の出発点になることがある。

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