以前の自分に戻りたい。だが戻れない気がする。
以前の方が良かったのか、以前の状態が正しかったのか。それはわからない。だが「今の自分は何か変わってしまった」という感覚だけが残っている。
「以前の自分」とは何か
「以前の自分」というイメージは、実際の過去を正確に反映しているとは限らない。
記憶は選択的だ。以前の良かったことは記憶に残りやすく、以前の辛かったことは背景に退く。「以前の自分」への郷愁は、記憶の編集されたバージョンを参照していることが多い。
戻れないことの実感
何かを経験した後、以前の状態に戻ることが難しいことがある。
大きな喪失の後。長い疲弊の後。価値観が変わった後。これらの経験は、自分の内側の何かを変える。
そして「以前はこんなことで悩まなかった」「以前はもっと軽やかだった」という感覚が生まれる。
変化を喪失として経験する
自分の変化を喪失として経験することがある。
以前できたことができなくなった。以前感じられたことが感じにくくなった。これは何かが失われた感覚だ。
だが変化は、喪失だけではない。何かを経験したことで得た認識もある。ただ、得たものはすぐに見えず、失ったものの方が目立つことが多い。
「戻る」という発想を問い直す
「以前の自分に戻りたい」という気持ちは自然だ。だが、戻ることを目標にすることには限界がある。
変化した自分で今の状態を理解すること。それが、戻ろうとすることよりも現実に即した出発点かもしれない。
以前の自分が正しくて、今の自分が間違っているわけではない。