“親もひとりの人”として捉える

私たちは無意識のうちに、親を「親」としてしか見ていないことがあります。
けれども、親もまた、悩み、迷い、間違える、ひとりの人間です。
その視点に立つとき、親子関係は対等で柔らかいものに変わり始めます。

親への「期待」がすれ違いを生む

「もっとわかってほしい」「どうしてそんな言い方をするのか」──
そう思うことは誰にでもありますが、それは私たちが
親に対して「正しさ」や「成熟」を無意識に求めているからかもしれません。
しかし、近すぎる・遠すぎる境界線があるように、
親もまた、完璧ではなく、揺らぎの中で生きている存在です。

親のこれまでの人生を想像してみること──
仕事のこと、親との関係、夢を持っていた時期、挫折したこと。
それは「親」という役割を外し、一人の人として尊重するための第一歩です。
これは、パートナーとの時間を見直すという営みと通じるものがあります。

「親に気を使うなんて窮屈だ」と感じる人もいるかもしれません。
でも、尊重とは我慢ではなく、相手をひとりの存在として認めることです。
感情的にならない対話の積み重ね（→感情的にならない話し方）が、
お互いに安心できる関係を育てていきます。