“信じる”ことのリハビリ──傷ついた心で、もう一度世界に向かう
「もう二度と、誰も信じたくない」
そんなふうに思ってしまうくらい、心が深く傷つく出来事があります。
でも、あなたの中にはまだ、“信じたい”という小さな願いが、静かに息をしているはずです。
信じることは、いきなり取り戻すものではなく、少しずつ、少しずつ、自分のペースで慣れていくもの。
今回は「信じること」のリハビリについて、やさしく一緒に見つめてみましょう。
1|「信じることが怖い」と思うのは自然なこと
一度裏切られたり、期待を踏みにじられたりすると、信じること自体が脅威に感じられることもあります。
その反応は、心が自分を守るためにしている健全な反応です。
だからまず、「信じられない自分」を責めないことから、リハビリは始まります。
2|「少しだけ信じてみる」の練習
たとえば、「今日の天気予報を信じて傘を持つ」
「コンビニで買ったおにぎりが美味しいと信じる」
そんな日常の小さな信頼から始めるのも、立派な“信じる”という感覚のリハビリです。
信頼とは、必ずしも“人”に向けられるものだけではない。
“世界にもう一度、期待してみる”ことから、少しずつ回復は始まります。
3|誰かを信じる前に「自分を信じる」
信じる力は、外に向かう前に、まず内側から立ち上がってきます。
「大丈夫」「よくここまで来た」と、自分に語りかけてあげること。
その自己信頼が、やがて他者への信頼を支える柱になります。
4|信じることは“再出発”の扉
信じることは、過去を無理に忘れることではありません。
傷を抱えたままでも、「もう一度、何かを始めたい」と思えたら、それはもう十分すぎる再出発の一歩。
信じる力は、いつでも自分の中に静かに在りつづけています。
あとはそれを、少しだけ外に向けてみるだけ。