「誰かを恨む気持ち」との共存:感情を否定しないという選択
「恨んでしまう自分が嫌だ」
そんなふうに感じたことがある人は少なくないでしょう。けれど、恨みという感情が湧くのは、それだけ傷ついた証でもあります。それを無理に「消そう」とすると、かえって自分の心を痛めてしまうことがあります。
恨みの感情は「悪いもの」ではない
恨みとは、自分の大切なものを壊されたときや、理不尽に扱われたときに湧き上がる自然な感情です。まずはそれを「悪」と決めつけず、湧き上がる気持ちに正直になることが出発点です。
言葉にできない悲しみと共にいるように、恨みもまた、明確な言語化が難しい心の声かもしれません。
感情に名前をつける
恨みと向き合うには、その背後にある「本当の感情」を見つめる必要があります。たとえば、寂しさ、裏切られた悲しみ、理解されなかった孤独など。「私は〇〇がつらかった」と具体的に言葉を与えることで、心は少しずつ整理されていきます。
それが難しいときは、感情を1行で書くことから始めても構いません。
「消す」のではなく、「共にある」
恨みは、消さなくてもいい感情です。ただ、それに支配されないことが大切です。恨みを持ったままでも、自分自身の生活や幸福に目を向けることはできます。
共存とは、感情を手放すのではなく、「その存在を認めながら、自分の在り方を選び続ける」こと。無理に許さなくてもいい。ただ、その気持ちと距離をとって、ゆっくりと前に進む方法もあるのです。