許せないことと共に生きる:完全な「許し」を手放すという選択
誰かを、あるいは自分を、「許せない」と感じる瞬間は誰にもあります。
その痛みは正当であり、無理に忘れたり、無理に許したりする必要はありません。
許せないまま生きることは、逃げではない
「いつか許さなければいけない」「許すことで前に進める」──そんな言葉に、心が押し潰されそうになることもあります。
でも、本当に大切なのは、許せない自分を否定しないこと。
許しの代わりに、「共にある」ことを選んでもいいのです。
「許さないこと」には意味がある
許せないという感情の奥には、大切にしていたものを傷つけられたという記憶があります。
それは「大切にしていた証」でもあり、自分の価値観を守ろうとした結果でもあります。
その痛みを否定せず、静かに抱えること。「赦し」ではなく「尊重」を選ぶことが、今の自分を支えてくれることもあります。
共にあるという態度
完全に許せなくてもいい。
ただ、その感情を「排除せず」「語らず」「静かにそばに置いておく」。
それが、自分の中の未解決の感情と共存する、ひとつのあり方です。
それは、「心の整理」とは違う、もっと深くて静かな知恵かもしれません。
少しだけ呼吸がしやすくなる場所へ
癒しとは、「感情をなくす」ことではなく、その感情と一緒に静かに呼吸できる場所を見つけること。
あなたが今、許せない気持ちを抱えていても、それでもちゃんと生きていることが、その証です。